実際は、先鋒となって取材を続けた大村氏やMCの安藤優子が、どれほど芸能ネタに興味をもっているかはわからない。同じくMCの俳優の高橋克実は、ひじょうにうまく立ち回っているものの、まさかここまで『~グッディ!』が芸能ネタを扱う番組になろうとは予想していなかっただろう。
高橋のみならず、同業者のスキャンダルには「コメントしづらい」としている“タレントMC”は少なくないのである。
そして“ニュースキャスター”安藤優子は、もっとも芸能ネタに遠いところに居た人だ。忘れられないのは安藤が夕方の『スーパーニュース』を担当していたときのこと。ラジオ番組での失言で大バッシングを浴びた某歌姫サイドが「他局に比べ、若い視聴者=F2(35~49才の女性)が多く見ているから」との理由で、「安藤さんの『スーパーニュース』でだけ」インタビューを受けたのである。
当時そのネタは、女性視聴者の最大関心事であり、その歌姫が沈黙を破り、同番組にだけ独白することになったのは“スクープ映像”に間違いなかった。
が、インタビュアーは安藤ではなかったうえ、そのVTRが終了し、スタジオに降りた際、安藤優子は目線をカメラから外し、見事にノーリアクションで次のコーナーへと進めたのである。私は関わりをもちたくない…というような冷めた表情だった。
あれから9年。民放4位にまで視聴率が落ち、社長交代を始め、新体制になった同局周辺から「安藤優子も小倉智昭もリストラ対象」「グッディを終わらせたがっている」なるウワサも聞こえてくるなか、背に腹は代えられないということなのか。明らかに芸能ネタへの姿勢が前のめりになり、積極的にコメントをする安藤優子に視聴者がジワジワと付いて来ている。ちなみに、松居一代の独占インタビューを冒頭から長尺で扱った8月3日の『~グッディ!』(一部)の視聴率は5.5%。『~ミヤネ屋』は6.7%。かつて、トリプルスコアともいわれた数字の差は、ここまで接近しているのである。
さて、数字をもっている芸能ネタには、いくつかの特徴がある。まずは、視聴者におなじみのタレントのスキャンダル。ベッキーや小出恵介などは、これにあたった。