結論から言えば、どちらもパクったという事実はありえません。もともと宮藤さんは、「何もないところから、1つのイメージを見出して、それを徐々に具体化させながら話を広げていく」というタイプの脚本家。たとえば『うぬぼれ刑事』(TBS系)は、「必ず犯人に恋してしまう刑事が、『罪を見逃す代わりに結婚するか、逮捕されるか』の2択を迫り、失恋してしまう」というイメージをベースに作られた脚本でした。
また、宮藤さんは『監獄のお姫さま』について、「これまでいろんなドラマを作ってきましたが『で、つまるところ俺は何を書きたいんだ』と自問自答しました。結局、おばちゃんのおしゃべりを書いてる時が一番楽しいという結論に至りました」「彼女たちのおしゃべりをエンドレスで聞ける場所はどこか、と考え舞台を女子刑務所に設定しました」とコメントしています。さらに、満島ひかりさんが「女囚のお話で、満島さんは看守さん」という具体的なオファーを3年前に受けていたという事実も、長い構想期間を裏づけています。
そもそも、『女囚セブン』の筋書きを知ってから『監獄のお姫さま』を執筆するのは、多忙な宮藤さんにとってスケジュール上不可能。同様に『いだてん』も、東京五輪のプレイヤーにふさわしい作品を考えてのことであり、誰も好き好んで“後発”を選ぼうとしないでしょう。
◆人気作家でもプロデューサーと二人三脚