その窮地を救ったのが、ドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)の生徒役に抜擢された田原俊彦、近藤真彦、野村義男の3人だった。

「それまでの学園ドラマは、中村雅俊などが演じるスーパーヒーローのような先生が大活躍して、いつの間にか問題が解決していた。しかし、『金八先生』は中学生が実際に抱える受験、恋愛、親との関係などの悩みを描いた。先生役の武田鉄矢も含めて、リアリティのある学園ドラマでした。

 生徒役の田原、近藤、野村は三者三様の魅力があった。トシちゃんはある種の陰があって、マッチはヤンチャで、ヨッちゃんは親しみのある役柄。トシちゃんのデビュー曲『哀愁でいと』は、ドラマの役柄の雰囲気とも凄くリンクしていた。それも大ヒット曲になった理由の1つでしょう」

 彼らは歌手デビューは別々だったが、『たのきんトリオ』と呼ばれるユニットとなり、映画はシリーズ化され、テレビでも毎日のように共演していた。以降、ジャニーズ事務所からデビューするタレントは、ひかる一平や中村繁之などを除き、シブがき隊や少年隊などほとんどがグループになった。

「1970年代までの男性アイドルは新御三家などをはじめソロが中心で、ファンからすると “事務所から与えられる”という要素が強かった。しかし、たのきん以降はグループ内でそれぞれ個性が違うので、ファンが好きなアイドルを選べるようになった。また、メンバー同士の関係性も楽しめるようになった。たとえば、SMAPなら草なぎ剛と香取慎吾の仲の良さをラジオや雑誌の対談などから感じ取れる。グループアイドルを応援する楽しみがファンに発見されました」

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン