『あぶデカ』を手がけたのも前出・岡田氏だった。
「とにかくタカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)が暴れてくれればいいと思っていました。ダブル主人公ものはクレジットでどちらの名前を上にするかが難しいんですが、オープニングを作る際に彼らの職場である警察署にカメラを持って入っていき、たまたま先に出てきたのが舘で、次が柴田だったから、名前の順番も舘、柴田の順にしました(笑い)」
6位の藤田まこと主演『はぐれ刑事純情派』(1988年・テレビ朝日系)は“人情モノ”の代表格。元捜査二課刑事でドラマの監修なども手がける土井紀人氏も高く評価する。
「刑事が相手の心理をいかに掴んでいくか。資料を収集し、証拠を分析し、どう事件の“筋読み”をするか。細かい部分がよく描かれていた」
◆『相棒』はいいとこ取り
7位に入った海外ドラマの『刑事コロンボ』(1972年・NHK)。冒頭のシーンで犯人が明らかになり、コロンボがその犯人をしだいに追い詰めていく様子に、視聴者はハラハラドキドキ。
「帰りかけたコロンボが振り返って“あと一つだけ”といって、ねちっこく質問を浴びせる場面は毎回楽しみだった」(75歳無職)
そんなコロンボをオマージュしコミカルな笑いの要素も取り入れたのが、12位の田村正和主演『古畑任三郎』(1994年・フジテレビ系)である。脚本は大のコロンボファンを公言する三谷幸喜だった。
「1980年代までの刑事ドラマは“アクション”と“人情”がお約束でした。1990年代に入ると世間のミステリーブームもあって、『古畑』のように『コロンボ』の影響を受けたミステリー型の刑事ドラマが増えていきました」(前出・成馬氏)
1990年代には、警察組織にスポットを当てるドラマも大ヒットした。
8位の『踊る大捜査線』(1997年・フジテレビ系)は、刑事ドラマに“リアリティ革命”をもたらした。
「キャリアとノンキャリという聞いたこともなかった言葉が飛び交い、青島(織田裕二)は、主人公なのに“所轄は引っ込んでろ”と言われて捜査に参加すらできない。『本当の警察ってこんなだったの!?』と驚いた」(46歳会社員)