下手に、おなじみの主題歌をかけてしまって、BSプレミアムやNHKにチャンネルをまわされてしまっては、さらに分計を凹ませてしまいかねない…ということなのだ。
真裏の8時スタートの各ワイドショーは、朝ドラとの30年戦争、40年戦争がある。かつて、8時15分スタートだった朝ドラに合わせ、民放各局は8時30分からワイドショーを始めていた時代が長かった。
それが、徐々に8時スタートとなり、いまでは日テレもTBSもCXも8時に番組が切り替わる。
TBSとNHKの関係はもっと深くて、TBSがワイドショーをやめて生活情報に寄せた『はなまるマーケット』をスタートした際、総合演出がもっとも参考にしたのは、当時のNHKの情報番組だったという。
だが、その『はなまる~』は、8時スタートになった朝ドラと、当初の『はなまる~』に限りなく似た『あさイチ』に破れ、長い歴史に終止符を打った。
朝ドラが8時スタートになったのは、松下奈緒主演(というか、向井理が大ブレイクした)『ゲゲゲの女房』から。同時に始まった8時15分からの『あさイチ』は、井ノ原快彦の平和的な進行と、“ワキ汗”も“つけまつげのズレ”も気にしない有働由美子アナの明るすぎるキャラクターによって、13%台(ビデオリサーチ・関東地区)をキープ。
一方、7時台、8時台の民放各局は軒並み数字を落としているのである。
朝ドラが弱かった2000年代半ば~後半は民放も強気で、ビッグニュースをトップにもってきていたものだ。
が、いまは、よほどの大事故や大事件、大災害などがない限り、8時15分までは、海外の面白映像とか、三面記事などを紹介。NHKからのお客さんが流れてくるのを待って、その日のトップニュースを扱うのである。
正確には、イノッチや有働アナの感想トーク終了を待って…なのであるが、実は、冒頭からビッグニュースを扱うことが多い『羽鳥慎一モーニングショー』が数字を伸ばしており、「やはり頭からトップニュースをやるべきではないか」とも言われ始めている昨今。民放ワイドショーの総合演出が1月以降、開始何分後に大ネタをもってくるのか、興味津々で見守っているところである。
いずれにせよ朝ドラが横綱級に強いことに変わりはなく、続く『あさイチ』も同時間帯トップである日が多いのだ。
ケチなことを言っていないで、女性週刊誌のように民放でも“朝ドラ大解剖”的な特集をやってみたら、確実に高視聴率が獲れると思うのだけれど。もちろんBGMにも『365日の紙飛行機』を使うべきである。
それぐらい、いまの朝ドラは視聴者の最大関心事なのだから…。