ジョディ・フォスターをはじめとする女優たちも意識が高くて製作プロダクションを持つのは当たり前になってきてます。彼らは新しい才能をいつも探している。アメリカ人以外の新しい監督、新しい俳優をどんどん発掘していくんです。だから海外の映画って、まったく無名の俳優が突然大作の主人公になったりしますが、それはこうした製作プロダクションのおかげもあるんです」(佐藤さん)

 日本の芸能人は、業界団体が把握しているだけでおよそ3万人といわれている。また昨今はネットアイドル、地下アイドルなども現れた。そうした人たちの労働環境も守りうる組合やプロダクションを日本で作れるのだろうか。佐藤さんが続ける。

「悪い意味で裾野が広がってしまったと思うんです。そういうことを考えると窮屈でも芸能プロの存在意義はあるのかなとも思います。それに日本の芸能界でアメリカのような組合は風土に合わない気がする。弁護士や専門家を巻き込んで勉強会をしないと絶対無理だと思うし。自分の演技だけではなく、映画やドラマの作り方を知ってるかどうかも含めて、今の日本の芸能人にそうした大局的な見方ができる人がどれだけいるか」

 前出の佐藤大和弁護士も同意見だ。

「芸能人を一概に労働者と見なすのはぼくはよくないと思っている。ただ、土台作りは必要で、権利や人権を守るシステム作りは法律家として不可欠だと考えています。そういった意味で、事務所も芸能人も、きちんと契約書を読み、勉強会などしながら、相互に理解を深めていくことが大切なんじゃないでしょうか」

 前出の番組で太田光代は、タレントを預かる身としてこんなことも話していた。

「もう少しコミュニケーションをとって(事務所とタレントが)お互い意思の疎通を図れるようにしていったらいいかなと思っています」

※女性セブン2017年3月30日・4月6日号

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