実は筆者は、比較的最近、同番組に携わる外部スタッフから放送作家として入らないかと声をかけられている。そのとき聞いた説明では、扱うネタによって何社かの外部制作会社が入っているようで、新年度に入ったばかりだというのに、もしも番組そのものがなくなってしまうことになれば、そうしたスタッフにも大きな迷惑がかかる。一本、一本、時間をかけて丁寧に制作されている番組なので、先々までラインナップが決まっているだろうから、それだけでも現場はバタバタだ。
さらに、同番組をきっかけに羽ばたこうとしている若いタレントや、彼らが所属する事務所にとっても、せっかくの大チャンスがなくなるかもしれない事態。しかも、何の罪もない少女たちが誹謗中傷を受けているのだから怒り心頭だろう。
古い話で恐縮だが、女の子の出演者を多数抱える番組へのヒントになればと、番組開始から最終回まで筆者が担当していた『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)の“ルール”をここに記したい。
1994年~2011年までの17年間、同番組に出演してくれた“恋からガールズ”は、およそ1700人。各年度、100人前後の女性が入れ替わり出演していたため、その計算になる。
だが、男性スタッフらと彼女たちに“トラブル”は一度もなかった。メンバーと飲みに行くのは、年度末の「卒業スペシャル」収録後の一回だけで、明石家さんまも、その打ち上げには出席したが、そこで一人一人と記念写真を撮ったら、いちばんに退席していたものである。
「冷たい」かもしれないし「そっけない」かもしれない。でも、番組がスタートするとき、出演者の女の子たちと何か問題を起こしたら「番組が終わってしまうかもしれないだけでなく、さんまさんに迷惑をかけてしまう」というプロデューサーからのお達しで、全員が身を引き締めた。それが17年間、続いていたのだ。
今回の山口達也の一件で、TOKIOのメンバーから「連帯責任」という言葉が出たが、テレビ番組のスタッフの一人でもある私は、彼が出演していた番組スタッフも、その「連帯責任」を改めて考える必要があると思っている。もちろんそれは「大人」がすることだ。