◆「人を大切にする」という皇族としてのお気持ちは、陛下と変わらない
従来、日本の皇族は「人格・人柄を求められる公の存在」という側面が強かった。だが自身が奔放に過ごされてきた秋篠宮さまは、紀子さまとともに「個人の意思を尊重する子育て」を行い、眞子さまと佳子さまは「公」とともに「私」を重視する若者として育った。
その結果には賛否が分かれるかもしれないが、時代とともに皇族も変わっていくのは確かなことだろう。
「それでも皇族として大事な部分は変わらないでしょう」
と指摘するのは、元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんだ。
「私は側近の経験はなく、秋篠宮殿下にはご挨拶程度でお会いしただけですが、そんな私のことも覚えてくださっていました。宮邸などで私を見かけるといつも“山下さん”と声をかけてくださり、末端の職員まで大切にされる方だと感じました。職員に限らず、会った人のことを覚えておられるというのは、人を大切にされていることの証左です。時代が変わる中、殿下は“公”と“私”の線引きに悩まれていると思いますが、皇族として大事な、人を大切にするお気持ちは変わらないでしょう」
弟ゆえ、父ゆえの重たい苦悩は続く。
秋篠宮さまの憂鬱が晴れた日こそ、新たな皇室の在り方が見える時だろう。
※女性セブン2019年7月11日号