陛下の足元にいるのは由莉(2010年12月、東京・港区/宮内庁提供)
「愛子さまは由莉を心底かわいがっておられ、自らリードを持ち当時のお住まいがあった赤坂御用地内を散歩することもしばしばでした。すでに犬を飼っていたのでしつけの方法はわかっていたはずですが、改めてトレーナーにお願いしてアドバイスを受けるなど真摯に向き合っていらっしゃいました」(前出・皇室記者)
そうした愛情を一身に受けた由莉は賢く穏やかな性格に育ち、たびたび愛子さまと一緒に写真に収まった。そのときのトレードマークが首元のバンダナだ。
「由莉のかかりつけの動物病院では、診療が終わると首元にバンダナを巻いて飼い主に戻すという独自の“おもてなし”があって、愛子さまはその姿を非常に気に入られたようなのです。やがて普段から由莉の首元にはバンダナが巻かれることも増え、イニシャル入りのバンダナを自作されたり、ご自身のお召し物に合わせて柄をコーディネートされるようになりました」(前出・皇室記者)
手塩にかけて育てられた由莉もまた飼い主を励ましてきた。愛子さまは小学生の頃、学校生活に不安感を抱かれおひとりでの登校が困難だった時期があり、欠席や雅子さまとの“同伴登校”が続いた。1年7か月に及んだ不安定な学校生活に終止符を打つ愛子さまの背中を押したのが、ほかでもない由莉だった。
「愛子さまが久しぶりの“ひとり登校”をされた2011年9月下旬、由莉は東宮職にリードを握られながら、ゆっくりと後ろを歩いていました。愛子さまは何度も振り返りながら歩を進め、校門に到着すると、由莉に小さく手を振って校内へと入っていかれました」(前出・皇室記者)
愛子さまと相思相愛で育った由莉は、穏やかな性格を生かし、社会貢献活動も行っていた。長年皇室取材を続ける放送作家のつげのり子さんはこう語る。
「譲り受けた病院からセラピー犬の存在を聞き、共感されたご一家は『お役に立てるなら』と訓練を受けられたそうです。セラピー犬とは、入院中の患者の元へ出向いて癒しをもたらす犬のことで、由莉はコロナ禍の前まで、小児病棟で子供たちと触れ合うといった活動をしていました」