芸能

NHK紅白 小林幸子、X、マッチ…復活組が多い背景に目玉不足

今年の紅白には乃木坂46らが初出場

 今年のNHK紅白歌合戦まであと1か月。出場歌手の顔ぶれには初出場組や意外な歌手の名前があった。視聴率低迷が叫ばれるなか、今年は視聴者の関心を集めることができるのか? その見所について、コラムニストのペリー荻野さんが独自の視点で鋭く分析する。

 * * *
 先日、今年の紅白歌合戦出場者が発表された。今年はポルノもきゃりーもももクロも出ないのか~、ゴールデンボンバーは出るんだな~、なにしろ、ダルビッシュはこのコラムでもネタにしたNHK・Eテレの『ニャンちゅうワールド放送局』の不思議キャラ・ニャルビッシュとしても活動しているし、『NHKのど自慢』にもメンバー全員ゲストに出たりして貢献度は抜群だもんな~、それにしても紅組はAKB48にNMB48に乃木坂46まで出場して今年も楽屋はさぞかし混雑するんだろうな~などとリストを眺めていたが、そこにふと浮上してきたのは「謎」と「復活」である。

 たとえば特別企画枠で小林幸子“復活出場”の謎。復活組は他にもいっぱいいるのになんで特別枠? 初出場の「μ’s」とは? 読めないし。アニメファンには常識でしたか。失礼しました。

「復活」は、18年ぶりのX JAPAN、19年ぶりの近藤真彦、突如として9年ぶり二回目の出場を果たした今井美樹、初出場ながら20年ぶりに再結成したレベッカなどがいる。80年代、90年代の音楽やドラマに熱中したアラフォー世代をからめとる作戦に違いない。

 これは私の想像だが、復活組急増の背景には、今年の目玉不足があるのではないか。2013年の「紅白」では、『あまちゃん』ブームに乗って、能年玲奈が「天野アキでがす!」と役衣装で登場、GMT47は歌い踊るわ、芝居仕立てで出演者が乱入するわ、『潮騒のメモリー』を能年・橋本愛→小泉今日子→薬師丸ひろ子が歌うという「あまちゃん三段活用」が実現。

 続く昨年は、『アナと雪の女王』ブームで、NHKホールのMay.j、ニューヨークから神田沙也加、イディナ・メンゼル、松田聖子の涙と全員合唱のおまけ付「レリゴー三段活用」も盛り上がった。しかし、今年は決め手となるものが思い浮かばない。

 一方、総合司会に有働由美子とともに黒柳徹子史上最高齢の82才で復活!というニュースに目を奪われていたが、紅組司会の綾瀬はるか復活も重要だ。なにしろ初司会の綾瀬はるかは、進行やトークの間がとにかく独創的。2013年の初司会時の「あまちゃん三段活用」の際には、ドラマの大ファンだという嵐の松本潤が興奮気味に勢ぞろいした「あまちゃん」出演者に声をかける横で、綾瀬は呆気にとられた様子で言葉もなし。進行タイミングもしばしばずれてカックンとなり、ハラハラしながら見守った人も多かったのではないか。

 今年の司会者に決まった際の会見でも、綾瀬は『あさイチ』でコンビを組む有働由美子と井ノ原快彦(白組司会)について「おふたりは出来上がってる関係なので…」と発言。独特のトークセンスは健在だ。演技はともかく、フリートークなどでは今や国民的心配女優である綾瀬の進行で、日本中の目をくぎ付けにする作戦か。

 出場者発表翌日の『あさイチ』では、有働アナと井ノ原が紅白について語り合っていたが、私が一番興味深かったのは、ふたりの話をニコニコと聞いていたグッチ裕三の言葉だ。かつて一度だけ紅白に出たグッチ裕三。その出番は「4時間待って8秒」だったという。紅白って大変!

 今年の目玉が何になるのか…いろんな意味で注目したい。

撮影■高柳茂

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト