芸能

業界内でも高評価 au「三太郎」CMヒットの理由

au「三太郎」CMヒットの理由は(同社HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、CM業界の現状を分析。

 * * *
 かつてソフトバンクの「白戸家」シリーズがそうであったように、多くのCMコンテストや好感度調査において、KDDI/auの「三太郎」シリーズがトップを独占、独走していることは皆さん、ご存知のとおりだ。

 松田翔太が桃太郎、濱田岳が金太郎、そして桐谷健太が浦島太郎に扮しているのが「三太郎」シリーズ。

 実はCM業界では、その前から、多くの人に馴染みのある「昔話」を取り入れるのがトレンドとなっていた。たとえば昨年、CMコンテストで好成績をおさめていたのは小栗旬が出演する「ペプシネックス ゼロ『桃太郎』Episode ZERO」だった。今年も続編が出品され、その出来はやはり「素晴らしい」「お金がかかっている」「センスもある」と高評価だ。

 同じく桃太郎が出て来る「三太郎」シリーズに、「二番煎じ」という酷評がほとんどみられなかった理由。それは、三太郎に加えて、菜々緒が扮する乙ちゃん(乙姫)や有村架純が扮するかぐちゃん(かぐや姫)、さらには、若手俳優でもっとも勢いがある菅田将暉を鬼ちゃんと次々登場させたことだろう。

 この年末年始からオンエアされ、彼らが総出演する「みんながみんな英雄」篇のCMソングは、出産後、初めて録音したというAIが歌う同名曲。これまた多くの人に耳馴染みがあるフォークダンスの名曲『オクラホマミキサー』をアレンジしたものだ。

「昔話」もまた新たに加わった。『おむすびころりん』『ツルのおんがえし』『笠地蔵』『金のオノ銀のオノ』『シンデレラ』など、和洋の昔話を段積みしてきたのである。

 複数のCMクリエイターが揃って言うことには「三太郎シリーズ」は「久々に勢いを感じる作品」とのこと。

 東日本大震災以来、「不謹慎」「自粛」という言葉で身動きがとれなくなったのは、テレビ界よりも広告業界で顕著だった。加えて、2020年に東京で開催されるオリンピックとパラリンピックに向けて、スポンサー企業は、これまで以上に優等生的なCMをクリエイターたちに依頼するようになっていると聞く。

 CMをトイレタイムにしたり、スキップしたりせずに何本かご覧いただきたい。ホロッとさせられる作品や、家族をテーマにしたCMがいかに増えているかがおわかりいただけると思う。

 もうひとつ、コピーや映像の評価よりも、大物タレントを起用した作品のほうが人気CMになってしまうという傾向もある。双方のバランスがとれているということで一昨年も昨年もプロから高い評価を受けたのは、山田孝之が出演するジョージアのCMだった。

関連記事

トピックス

大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン