芸能

朝ドラだけじゃない ノリにノッてるNHKドラマ班

注目ドラマ『コントレール~罪と恋~』(公式HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、このところ絶好調のNHKドラマに注目。

 * * *
 NHKのドラマがノリにノッている。

 まずは、いよいよ残すところ一週間。平均視聴率で『花子とアン』や『ごちそうさん』超えが確実と言われている連続テレビ小説=朝ドラ。さらには三谷幸喜氏脚本、堺雅人主演の『真田丸』で視聴率が上向いた大河ドラマだ。

 また、4月の話題は、これまで火曜日だった「ドラマ10」が金曜日に引っ越しすること。鈴木京香と長谷川博己が交際するきっかけとなり、“セカバー現象”を生んだ『セカンドバージン』の脚本家である大石静氏による『コントレール~罪と恋~』の主演は石田ゆり子で、恋の相手は井浦新。この“ねっとり感”は、火曜夜より金曜夜が相応しい。引っ越しは大正解だ。

 木曜の「特集ドラマ」枠は舘ひろしと神田正輝による『クロスロード』。BSプレミアムの「プレミアムよるドラマ」は、柄本時生と元SKE48の松井玲奈の共演が話題の『初恋芸人』だし、「プレミアムドラマ」は黒木瞳、鈴木保奈美の『嫌な女』…と、確かに、こうして並べてみると、どれも話題に事欠かないし、民放ではなかなか真似のできないキャスティングや題材なのである。

 終了してしまったが、「木曜時代劇」枠の『ちかえもん』は、ドラマ好きのコラムニストたちが連載で度々取り上げていたし、「プレミアムドラマ」『鴨川食堂』は、『~こいしと流の物語』というタイトルで番組の魅力を60分に凝縮した特別ドラマがオンエアされるほど好評だった。

 NHKと民放とでは、ドラマの作り方にどんな違いがあるのだろうかと考えると、そう変わりはないように思う。原作モノが多いという傾向も、民放とNHKは似たようなものだし、大物をメインキャストにしてから周辺を固めていく順番もほぼ同じだろう。

 が、民放がまず手を出さない原作モノや、会議で却下されそうな題材のドラマ化が得意なのはNHK。たとえば、最近でいうと『恋の三陸 列車コンで行こう!』(特集ドラマ)、『岡山発地域ドラマ インディゴの恋人』、『新春スペシャルドラマ 富士ファミリー』などがこれにあたる。

 キャストについては、同局のドラマで名前や顔を売った俳優陣をまるで専属の“劇団員”であるかのように次々出演させるのがうまいのもNHKだ。

 3月19日にスタートした「大河ファンタジー『精霊の守り人』」の主演は、大河ドラマ『八重の桜』のヒロインだった綾瀬はるか。今回は短槍遣いの女用心棒・バルサという役だ。

 ファンタジーと言われると「子供が見るもの」と決めつけたり、食わず嫌いをしている人がいるかもしれない。かくいう私もその一人だったのだが、そんな視聴者とファンタジーとの距離を縮めるほど、スケールが大きく、撮影技術、CG、音楽、キャスト…、どれをとっても超豪華だし、時間をかけて丁寧に作られているという特徴がある。

 初回オンエアの前に、番宣番組を見る機会にも恵まれた。昨今、NHKは、番宣番組でも民放を大きく突き放す内容とセンスが評判。『精霊の守り人』の場合も、原作者の上橋菜穂子氏の自宅を『あさが来た』の“ふゆ”清原果耶に訪問させたのを始め、裏方スタッフの仕事ぶりを丁寧に紹介したり、綾瀬=バルサの幼少期を演じる子役をナビゲーターにしたりと、見応え十分だった。ちなみに、清原果耶は、綾瀬演じるバルサの少女期を担当している。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン