そして八田亜矢子は、「いま、京都に住んでいるんです」と言い、「雑誌が発売される頃には解禁になると思うんですが…」と“含み”をもたせた。医大生と結婚したばかりのときだったのである。
そんな3人に比べると明らかに知名度が低く、ネタ薄でもあった寺田ちひろ。プロフィールに『王様のブランチ』(TBS系)が入っていたので慌てて見てみた。彼女は他の“ブラン娘”同様、食リポをしたり、番宣コーナーでタレントにインタビューをしたりと、けっこう活躍していたのである。
だが、どこか居心地悪そうに見えたので周りを見渡してみると、彼女以外の“ブラン娘”は、いかにも女性人気が高そうなサバサバ系で、変顔やボケ発言、さらには大きなリアクションができるタイプばかり。
ツーショット、スリーショットが多いロケで「かわいい」を貫く寺田はハッキリ言って浮いていたし、「もしかして周りの女子に嫌われているかも?」と心配になったものだ。
果たして対談日がやってきた。メイク室にいる彼女を訪ねると、私の“圧”がよほど強かったのか、どこか脅えたような表情をしているではないか。
さらに驚いたのは、その声の弱々しさだった。女子アナの多くは、“押しの強さ”が声にも表れているものだが、彼女にはそういうところもナシ。「どうして、この対談連載に彼女が抜擢されたのだろう」と不思議に思ったものである。
対談を始めてからわかったのだが、彼女は、いわゆる“女子力”を上げるために美容や健康にまつわる最新トレンドにとても詳しかったし、関心をもっていた。つまり、「美容健康雑誌での対談だから」選ばれたようだ。
そんな中、とても印象に残ったのは、彼女の口から「麻耶さん」「麻耶さん」と、何度も小林麻耶の名前が出たことだ。
私は『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)の構成を担当していたので、オーディションに来た青学大2年生のときから彼女のことを知っている。大学の後輩だったこともあり、“恋からガールズ”の中では、もっともいろいろな話をしたメンバーでもある。
それを寺田に伝えると、彼女はさらに「麻耶さん」とのエピソードを話し始めた。「麻耶さんには本当にかわいがっていただいて」「いろいろ、アドバイスもいただくんです」と。