日韓芸術交流推進のオペラ公演をご鑑賞(2002年7月、東京・渋谷区。時事通信フォト)

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 偶然にも2001年の愛子さまの誕生時、時の総理は純一郎氏だった。純一郎氏は「命名の儀」の後に行われた祝宴に参加し、当時皇太子だった陛下と乾杯をしている。

「皇室典範では、女性皇族は結婚を機に皇室を離れることが定められています。純一郎氏が行おうとしていたのは、そのルールを変更し、『愛子天皇』実現を念頭に置いたものでした。愛子さまの人生のみならず皇室全体の歴史にかかわる重要な議論ですから、陛下と雅子さまのご理解はもちろん、当時の天皇皇后である上皇ご夫妻の了承も得ていたと考えるのが自然です」(前出・宮内庁関係者)

 2006年1月、純一郎氏は皇室典範改正案を通常国会で成立させたいという意向を表明し、将来的な愛子天皇の実現がいよいよ現実味を帯びてきたかのように見受けられた。しかしその翌月、紀子さまの悠仁さまご懐妊が明らかになったことで改正案は白紙となった。

「男子である悠仁さまがお生まれになったことで“次の天皇”に関する問題は、当面なくなりました。しかし、安定的な皇位継承のためには女性・女系天皇を認めるべきだということ、また、愛子さまの存在がある以上、その判断をできるだけ早期に行うべきだということを、先陣を切って皇室制度改革に向けて動いていた純一郎氏は痛感していたはずです。

 議論の停滞を悔やむ純一郎氏の姿を、進次郎氏は後継者として、誰よりも近くで見ていたのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト)

悠仁さまも世論に悩まれて

 安定的な皇位継承をめぐる議論は現在に至るまで続いている。衆参両院議長は8月7日、各党からの意見聴取の結果、「女性皇族が結婚後も皇室に残る案についてはおおむね賛同が得られた」と発表したが、議論の先行きは不透明だ。

 他方、「愛子天皇」実現を期待する世論が日増しに熱を帯びている。愛子さまには皇位継承権はなく、また、皇位継承については、悠仁さままでの流れを「ゆるがせにしてはならない」とされているが、国民の愛子さまへの敬愛は深い。

「9月6日に成年を控えた悠仁さまも、そうした世間の反応を気にして悩まれているといいます。愛子さまもまた、世論についてはご存じのことでしょう。悠仁さまのお心を慮るという意味合いもあってか、皇室のご活動は内部で行われるものにとどめ、皇族としてのお出ましの機会も最小限にされているようです。実際に、8月の両陛下の那須ご静養にも初めて同行されませんでした」(前出・宮内庁関係者)

 議論を先送りにし続ければ、愛子さまはこの先もご自身のお立場に苦慮されるのではないか。皇室のご活動もますます制限される可能性すらあるだろう。政治が安定的な皇位継承をめぐる一連の議論に結論を出すことは急務であり、次の総裁の手腕の見せどころでもある。

「総裁選期間中は、不要なハレーションを避けるためにも、進次郎氏は安定的な皇位継承、特に、女性・女系天皇に関する内容については強く主張しないとみられています。しかし、総裁選を勝ち抜き首相になったあかつきには、純一郎氏の“未練”でもあるこの問題に着手するのではないでしょうか。

 進次郎氏は柔軟な考え方の持ち主ですから、国民からの支持を強固にするため国民の希望に寄り添う形で『女性天皇の容認』に言及する可能性は充分あります」(前出・全国紙政治部記者)

 父の代からおよそ20年、くすぶり続ける問題に終止符が打たれようとしている。

※女性セブン2024年9月19日号

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