芸能

ポスト・タモリ大本命の中居正広 いいともで挫折した過去も

 長くテレビ界の中心に位置した『笑っていいとも!』の終了から1か月余り。後継番組の惨状を受けて、フジテレビのみならずテレビ界全体がいま、ポスト・タモリを熱望している。その大本命と目されるのが、SMAPの中居正広(41)。
 
 なぜ芸人やアナウンサーといった「しゃべりのプロ」を押しのけて、本来「アイドル」であるはずの彼がテレビ界を仕切る存在になろうとしているのか。新進気鋭のテレビっ子ライター・戸部田誠氏が、新たな「テレビの王様」の実像に迫った。

 * * *
「仕切れ!」

 中居正広は中嶋優一プロデューサーから出されたそのカンペの指示に愕然とした。タモリ、笑福亭鶴瓶、明石家さんま、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、爆笑問題、ナインティナインが入り乱れ同じ舞台に立った『笑っていいとも!』グランドフィナーレ(フジテレビ系、3月31日放送)で中嶋が仕切り役に指名したのは芸人ではなく「アイドル」であるSMAPの中居だった。

 混乱したステージに木梨憲武が何の脈絡もなく橋田壽賀子やオスマン・サンコンを呼びこむ悪ふざけで場が荒れる中、「整理しよう!」と中居は繰り返しながら必死に仕切り役をまっとうしていった。

 中居は『HEY! HEY! HEY!』(フジテレビ系、4月7日放送)で「恐くて、訳分かんないし、みんな仕切れるのに、みんな好き勝手やってるし、さんまさんあっちいるし、憲武さんそっちいるし、こっちギスギスしてるし。どこ見ればいいのか分かんないんですもん」と振り返っている。

「あれをまとめられんのは中居くんしかいない」と松本人志が言うように、あの場面を仕切ることができたのは、他のどんな芸人でもなく中居だけだっただろう。なぜ「アイドル」である中居正広が芸人やスタッフ、そして視聴者にこれほどまでの信頼を得ることができたのだろうか。

 中居が香取慎吾とともに『いいとも』のレギュラーに加入したのは1994年。当時の印象をタモリは「高校生を見るようだったよ。なんにもできなくて立ってるだけだった。でも無理ないよ。『いいとも』出てるメンバーって錚々たる人たちでしょ。バラエティにバッと入れられたら分からないよ」と語っている。事実、当時まだ21歳の中居はどうすることもできなかった。弟分である5歳年下の香取とずっと肩を寄せあっていたという。

 考えあぐねた中居はノートに台本のようなものを書いていた。たとえば「タモさん、元気ですか」と自分が話しかけたら「元気だよ」などとタモリが言いそうなことを想定して書き連ねた。また香取に「今日はこういうことを振るからな」と本番前に練習したりもした。だが、実際にはそんな場面はやってこない。アドリブが効かないのはもちろん、話を振ることすらできなかった。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト