同じ「セント・フォース」の中でも“異端児”として仲が良かった八田亜矢子の結婚も山岸舞彩に少なからず影響を及ぼしたような気がする。
医大生と結婚し、東京のレギュラーを降りて京都に住み、「彼の学費は私が出す」という男前な日々を過ごしている八田。あれだけイケイケだった彼女が結婚によって落ち着き、別のフィールドで自分の世界を広げていることは、私からもとても素敵に見えた。親友の山岸舞彩なら余計にそう思っただろう。
実は、八田亜矢子や山岸舞彩だけではないのである。有名な「30歳定年説」に女子アナたちが落胆したのも今は昔。昨今、在京局の若き人気女子アナの多くは寿退社するのがトレンドと言ってもいいのである。
フリーになってから、うまくいっているか、いっていないか、仕事をしているか、していないかは別として、高島彩、中野美奈子、内田恭子、阿部哲子、河野明子…。帯のレギュラーをもっていた人気女子アナはいずれも結婚を機に退社している。
だが、その上の世代は、仕事でスケジュールが埋まっていないと不安になってしまうようだ。中井美穂、松本志のぶ、木佐彩子、(結婚はしてないが)馬場典子らのプロフィールを見ていただきたい。みんな、大小にかかわらず、仕事を拾いまくっていることがおわかりいただけると思う。
そして、地方局出身でフリーになった女子アナは、東京で一旗揚げるのが最大の目標なので、これまた貪欲に仕事にしがみついている。在京局とはまた異なる“有名人”だった彼女たちの辞書にも“潮時”という言葉はないのだろう。
だが、大学時代からキャンペーンガールやモデルの仕事をし、トントン拍子で五輪キャスターや報道番組のメインにまで登り詰めた山岸舞彩は、華々しい場所でゴールテープを何度も切る経験をしていたから、実にアッサリした幕引きだったというワケ。
彼女の決断を、その下の世代の女子アナたちはどう見たのだろうか。今後を見守りたい。