この年の9月16日、2時間ドラマ『怪談III 牡丹燈篭』(フジテレビ系)に主演。篠ひろ子や内田有紀が名を連ねた10月21日開始の連続ドラマ『半熟卵』(フジテレビ系)にも脇役ながら出演していた。4話では、V6デビュー前の森田剛と絡むシーンもあった。
翌年も、1月4日『世にも奇妙な物語 冬の特別編』(フジテレビ系)でオムニバスの1つ『ブルギさん』に主演した。4月1日には、春の時代劇スペシャル『素浪人 花山大吉』(テレビ朝日系)で松方弘樹に次ぐ2番手で登場。5月1日には、ジャニーズ時代の主演映画『課長島耕作』が21時からTBS系で放送されている。
1987年から7年連続で続いていた連続ドラマ主演は、1994年に途絶えたが、それを独立と結びつけるのは早計である。前年の『愛してるよ!』(テレビ朝日系)は全話平均視聴率9.9%に終わっており、1990年代に入ってから『教師びんびん物語』(フジテレビ系)のようなヒット作に恵まれなかったことが原因の1つと考えられる。
ワイドショーやスポーツ紙、週刊誌にバッシングを受けたことによるイメージの悪化も大きな理由だろう。田原は1993年10月に結婚したが、マスコミの直撃取材に応じず、コメントも出さなかった。今ではSNSやFAXで発表すれば事足りるが、当時は記者会見を開くことを当然のように求められた。連日マスコミに追われていた田原は仕方なく、1994年2月17日に長女誕生会見を行なう。
この時、のちに傲慢と叩かれる「僕くらいビッグになると」という軽い冗談が出た。翌日の朝刊スポーツ紙の見出しに“ビッグ”が1つもなかったように、当初はさほど問題視されていなかったが、時が経つに連れてバッシングが激しくなっていった。
報道を時系列で追うと、メディア側に「独立したから叩いても問題なし」という認識があったように思える。
また、田原は1994年のジャニーズ事務所独立以降、所属タレントと共演NGになったと考えられているが、実は2度、同じ番組に出演している。1994年10月12日放送の『’94夜のヒットスタジオ超豪華!秋スペシャル』で少年隊や光GENJI SUPER 5と、1995年4月5日放送の『’95夜のヒットスタジオ・グレートアーティスト・超豪華!春のスペシャル』(ともにフジテレビ系)でSMAPと同じ画面に映っているのだ。