実は我が家には、その頃の写真とインタビュー記事がある。私と田中アナの母校である青山学院大学の「30万人(当時)の卒業生と青山学院をつなぐ『絆』マガジン」こと『青学チャイムズ』(09年vol.9)である。
「マスコミ業界に内定の準ミス青山がご案内」というグラビア記事で、学内を紹介していたのが、TBSに内定が決まった直後の、大学4年の田中みな実だったのである。
「清楚な笑顔が印象的で、準ミス青山なのも納得な知的美人」と紹介されている田中みな実は、「合格はちまき」を頭にしめ、青学のロゴ入りのピンクのタオルを広げるも、とても大人っぽくて、ファッションも白いニットのアンサンブルに黒のパンツと辛口だ。
その後の“ぶりっ子キャラ”を知らなければ、本当にキャプションどおりの知的美人。注目すべきは、田中アナのトレードマークともいうべきタレ目が、そこでは全くタレていないことなのである。
女性アイドルがファンや観客の視線で、そのルックスに磨きをかけるのは有名な話だが、元は甘いルックスではなかったアナウンサーの卵が、“ぶりっ子”キャラをさせられて上目遣いが得意のタレ目になる…なんて聞いたことがない。
件の吉川美代子元アナによる田中みな実アナの評価は、『サタデーずばッと』で先輩の佐古忠彦アナや堀井美香アナ、小林豊アナらと出演していたときに、もっとも現れていた。
週末とはいえ、主に年金問題報道に定評があった同番組で、田中みな実アナは“報道アナ”の顔をしていたものである。
恐らく、本来の彼女は、こちらのほうを目指していて、自分でも心地よかったのではないだろうか。
だが、『サンデージャポン』でのオリラジ藤森との出会いが、彼女をバラエティの世界へと引きずり込む。
頭のいい女性なので、求められるキャラを瞬時に理解し、演じていることもできていたから、MCの爆笑問題にも愛されたし、放送作家やスタッフにも評価されたのだろう。
『さんまのSUPERからくりTV』では、南海キャンディーズのしずちゃんの“天敵”として演じていたこともあった。過酷なゲームやドッキリ企画でも、すべて“ぶりっ子・みな実”を完璧に演じてきた。
そんな田中みな実アナだったが、TBSを退社したのは、藤森との結婚を考えてのことだったろうし、藤森の相方、中田敦彦が高学歴タレントの福田萌とゴールインしたことも弾みになったのではないだろうか。
“藤森慎吾の交際相手”として、“サンジャポ・ジャーナリスト“として、中田と福田の記者会見で質問をした田中みな実アナは、そこでも言われた通りのキャラクターを崩さなかったのである。
だが恐らくそれもまた、実家の御両親には理解されなかったのだろう。
ここまで“公然の恋人”でありながら破局した女子アナも、そうは居ない。恋愛至上主義の青木裕子アナや、高島彩アナ、本田朋子アナ、松尾翠アナ…ら“乗り換え上手”が揃うフジテレビの女子アナらと異なり、恋愛面で“したたか”なカンジが全く受けてとれない田中みな実アナのことが本当に心配だ。
どうだろう。恩師・吉川美代子さんの元、もう一度、報道キャスターを目指すというのは…。本人も、そして御両親も、それを願っているような気がしてならないので。