そして、八木亜希子と加藤綾子に共通するタレントとして真っ先に挙げられるのは明石家さんまだろう。
毎年、クリスマスイブの深夜に生放送される『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』(フジテレビ系)のアシスタントは、第一回からずっと八木ちゃんが担当。フリーになってからも、結婚して仕事をセーブしていたときも、海外住まいだったときも、八木ちゃんはこの番組にだけは出続けていた。
カトパンと明石家さんまとは、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)で、開始以来9年も共演。彼女がフリーになってからも後輩にバトンタッチするという話は一回も出ないまま、いまに至る。
八木ちゃんとカトパンとでは年齢が異なることから、彼女たちに対する明石家さんまのツッコミは微妙に異なるものの、他局の女子アナで、さんまがここまで心を許している女子アナも他に見当たらず、八木ちゃんもカトパンも、それをわかって、他のタレントと組むときとは明らかに言動が違っているし、伸び伸びとやっているように見える。
古巣からの大事にされ方や、女優としての可能性、さらには、明石家さんまとの“関係”など、何かと共通項の多い八木亜希子と加藤綾子だが、唯一異なるのは、同性からの人気度と、その“種類”ではないか。
同期入社で仲も良かった河野景子(現・花田)や故・有賀さつきさんと比べると、目に見える上昇志向がなかった八木ちゃん。カトパンも同期の椿原慶子アナとは仲良しだが、入社当時から報道アナを目指していた椿原とは異なり、音大出身の加藤は自身のコンプレックスを告白したこともあった。
とはいえ、民放全局の最終試験に残り「スーパー綾子」の異名をもっていたカトパンに対する入社後の評価は、華があって、立ち姿がキレイで、つきあいが良くて、「座持ちのする女」というのが代表的な意見だろうか。声の主は圧倒的に男性スタッフや男性共演者たちである。
「フジテレビに愛され過ぎた」ゆえ、使い勝手がいいとは言えぬ加藤綾子が、ふんわりとした雰囲気のまま、多方面に活躍の場を広げる八木亜希子のようになれるのか否か。古巣に遠慮する期間が解け、思う存分やれるようになった今春以降の「スーパー綾子」の仕事ぶりから目が離せない。