雑誌:とはいっても、アイドルを「一人の個人」として見て、その人格も含めて応援する、という流れというのはモーニング娘。の頃からすでにできていたような気がします。辻希美なんて、今や日本最強クラスの芸能人ブロガーになり、最近ではYouTubeチャンネルまで開設し、活躍の場を広げています。
WEB:モーニング娘。の元メンバーもそれぞれ藤本美貴や保田圭のように「ママタレ」になったり、中澤裕子のように「地元密着タレント」になったりする。あとはヤンキースの田中将大と結婚した里田まいは過去の「おバカキャラ」から完全脱却し、夫の健康管理のことも考える「良妻賢母」的なポジションを獲得しました。
雑誌:「個」が確立されたとはいうものの、矢口真里や後藤真希の不倫騒動やら、吉澤ひとみの飲酒運転なんかもありましたね……。
ライター:アイドルであってもミスは犯すし、「一人の人間」であることを示した面もあるといえるでしょう。
WEB:ちょっと話は変わりますが、先日も香取慎吾のインタビューで、「新しい地図」の3人で「やりたいこと」を話し合ったものはすべて叶った、という記事がありましたが、こういうのを見るアイドルグループのメンバーはどう思うんですか? あれは企画した編集者的には「いいコメントGET!」のようなものだとは思います。でも、広告的には「グループとして起用したかったのに……」みたいなものはあるのでは?
広告:まぁ、そこはその時代時代に合わせて最適な人をキャスティングするのが広告のあり様なわけで、アイドル像が変われば我々もそこに合わせるだけでしょう。
雑誌:そういった意味で大きいのは2020年末をもって迎える嵐の活動休止でしょう。後進は次々と育っているものの、やはり「国民的アイドル」といった存在はいなくなってしまう。2021年はその流れを受け、アイドルグループのメンバーであろうとも自由に恋愛を謳歌したり、毒舌キャラになる人が出てくるかもしれない。刺青を見せつけるような人も出るかもしれない。
ライター:それはそれでアイドルの新しい姿ということで、けっこう面白そうですけどね(笑)