芸能

西島秀俊×奥貫薫 好感度CMにおける「引き算効果」

 実は常にトップを争っているのが『三菱電機』のCM。杏とオードリー若林正恭が夫婦で、戸田恵子が義母の人気シリーズだが、“働くママ”たちにとっては、妻や母に大量のキャベツの千切りをさせたり、エアコンの設定温度で妻とモメたりする亭主関白な若林はユーモアに溢れ、CMとしての好感度は高いが、それよりも、「奥貫さんをワンオペにさせない西島さんが理想」と作品の出来とは違うところで話題になっているのだという。

 件の『日経MJ』には、「売り上げに貢献しそうなタレント・有名人」の男女別ベスト10も掲載されており、西島は5位、遠藤憲一は6位、綾瀬はるかは4位と『パナソニック』のCM出演者は好成績だ。

 なかでも遠藤憲一は、ニホンモニター調べの「2017タレントCM起用社数ランキング」で男性部門の第一位に輝いたことが記憶に新しい。近年、連続ドラマでも欠かせない役者の一人で、特に『ドクターX~外科医・大門未知子~』での「海老名先生」こと海老名敬役は、「遠藤憲一そのもの」との声もある。

 つまり、“いい人”キャラで、ちょっと気の小さいところがあり、米倉涼子演じる大門未知子にピシャリと言われると、すぐに小さくなってしまう。有名な話だがプライベートの遠藤は恐妻家で、いまの自分があるのは敏腕な「妻のお陰」と公言している。

 現場にインタビューに出向いた記者らを気遣い、「僕なんかでいいのかな」と遠慮し、自分の話より米倉について「涼子ちゃんは、まさに大門未知子なんだよな。NGを出さないんだよ。失敗しないんだよ」などと率先して話す。

『パナソニック』のCM撮影でも、「こんな美女に囲まれて」と恐縮しつつ、自分の言葉で商材の感想を述べたり、「欲しい」「買いたい」と目を輝かせたり、同社のHPやプレスリリースにて使いどころのあるコメントを連発するのが遠藤憲一なのである。これは、オファーが途切れないハズだと思った。

 そして、ランキングには入っていないが、そうした機会で、自分のライフスタイルをチラ見せしながら、主婦やママとしての意見をしっかり述べるのが奥貫薫なのである。

 かつて「泣きの奥貫」と言われた人気CMガール時代を経て、連続ドラマや映画などには欠かせないバイプレーヤー女優となった奥貫。『パナソニック』では、西島秀俊の妻役であり、働くママ役だが、いわゆるママタレとは異なり、モード感があるうえ、女優として確かな演技力と、ドラマ同様、決して暑苦しくならない涼やかな存在感があるため、クリエイター心をくすぐるのが彼女の真骨頂。私は昔から、彼女と小泉今日子とが被る部分があるように思っているところだ。

 主演俳優の西島に主演女優の綾瀬、そして怖い顔の遠藤と、「お腹いっぱい」になりそうな布陣にあって、奥貫がいい意味でマイナスしてくれているお陰で、ひじょうに心地よく、押しつけがましくもないのに、しっかりと記憶に残るCMになっている。

『パナソニック』でいうと美容家電シリーズのCMが印象的な水原希子は、同年代の女性はもちろん、かなり上の年代の女性にまで知名度と高感度が高いタレント。駒井蓮は2018年、津田寛治とのW主演映画『名前』が公開予定の透明感溢れる新進気鋭の女優である。

 足し算や掛け算がトレンドのCM界だが、グループショットが物を言うCMの場合は「引き算」も必要なのかも。2018年末のCM回顧企画が今から楽しみだ。

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン