「本人が親の名前を隠していても、局側は事務所から親のことを聞かされているもの。タイミングを見計らって“実は誰々の子供だった”ということを明かせば、親のファンは必ず注目してくれるし、逆にそこまで親の名前に頼ろうとしなかった姿勢をアピールすることで、視聴者からの好感度を上げることもできますからね」(テレビ局関係者)
いつの間にか2世タレントが大量に出演しているその背景には、こんな“大人の計算”もあるようだ。
夏クールのドラマでも、『ノーサイドゲーム』(TBS系)に千葉真一の息子・眞榮田郷敦(まえだごうどん・新田真剣佑の弟)が出演。杏が主演を務めた『偽装不倫』(日本テレビ系)では、その杏の恋人役を『島唄』で知られる歌手、宮沢和史の息子・宮沢氷魚(ひお)が演じた。NHKの前の朝ドラ『なつぞら』にも、哀川翔の娘・福地桃子がヒロインの親友役に抜擢されるなど、たしかに2世タレントの勢いは凄まじい。2世タレント事情に詳しいコラムニストの山田美保子氏はこう語る。
「日本人は家系図を大切にする文化があるし、その子の親と比較して、ああだこうだ言うのが好き。恵まれた環境にいる2世が親に頼らず努力している姿は、見ていてドラマがある。
もちろん長嶋一茂や石原良純のように思いっきり七光りを隠さない天真爛漫な2世を見ているのも、バラエティ的には楽しいのですが。役者に限れば“ストイックな2世”が求められる時代になってきました」
“隠れ2世”ブームはまだまだ続きそうだ。
三浦友和と息子の三浦貴大(時事通信フォト)
工藤公康と工藤阿須加(時事通信フォト)
※週刊ポスト2019年11月29日号