歌舞伎役者には“血を守る”という使命もあるためなのか、「隠し子」が存在した役者も多い。
1997年、市川染五郎(43)は6歳年上の元女優との間に隠し子がいたことが発覚。2003年には海老蔵も隠し子の存在が明らかになる。大河ドラマ主演中だっただけに大騒動となった。また2011年には愛之助も京都のホステスとの間に男子をもうけていたことが報じられた。
隠し子の存在も仰天だが、それ以上に世間を驚かせたのが、彼らの浮き世離れした発言だった。海老蔵は「子供の頃から歌舞伎の世界におりまして、これが普通だと思っておりました」と平然と言い放ち、愛之助は「世間一般でもあること。職業柄、大きく取り上げられるだけ」と悪びれるそぶりもなかった。
これぞまさに「梨園の常識は世間の非常識」なのか。
こんなエピソードもある。2002年、人間国宝・坂田藤十郎(84)は50歳年下の舞妓との不倫発覚と同時に、“開チン”写真が流出した際の釈明会見で「お恥ずかしいなぁ~。私が元気だと証明するみたいで」「世の男性方にも頑張ってもらいたいね」と、ケロッと話した。
一般社会であれば、「不倫」「隠し子」などは、社会的に抹殺されかねない大問題であるが、歌舞伎の世界では「日常」なのだ。
※週刊ポスト2016年10月7日号