土屋太鳳も、『おひさま』(2011年)、『花子とアン』(2014年)ではサブ役だったが、その後、『まれ』(2015年)で主役の座を射止めている。
「『純と愛』に桐野富士子役で出演した吉田羊は、主人公・純の先輩で接客指導担当という役でした。陰があるけどクールな姉御肌という役柄は、その後の彼女のイメージを作り上げた一因にもなっています。彼女も、朝ドラ以降、急激にCM本数が伸びた一人です」(吉田氏)
必ずしも主演である必要はなく、朝ドラでインパクトを残す役柄であれば、CMをはじめ、その後も安定して活躍する可能性が高いというわけ。
◆東京オリンピック・パラリンピックも影響?
さらに、世相も無関係ではなさそうだ。英会話スクール・AEONを運営するイーオン広報課・山田佳奈さんはこう語る。
「基本的に当社のCMキャラは、メインターゲットである20代~30代前半の若い女性にとって身近な若い女優が起用されます。だからこそ今回は永野芽郁さんにお願いしました。これに加え、シニアの方々の英語ボランティアニーズが高まっていることもあって、シニア層にも認知度が高いキャラクターを求めていました。朝ドラに出演されている方は、幅広い年齢層から人気が高く、また認知度もあります。そういった意味では、永野さんは当社のイメージに最適な方だと思っています」
今年は、東京オリンピック・パラリンピックが控えている。シニアも参加可能な国際系ボランティアも増えているだけに、英会話スクールにとってキッズからシニアまで重要な顧客と説明する。
そして、マーケティング的な面においては、2019年のAEONのキーメッセージは「この教室が、セカイの入り口」。永野がスクールの中に入り、その雰囲気や授業の様子を紹介する内容だが、自然体で自分の言葉で語ることができるキャラこそ適任と考えた。山田さんはこう語る。
「楽しそうな雰囲気で仲間と一緒に学びたい人にはスクールがあっているのだと思います。これを体現するのが朝ドラ女優なのでしょうね。常に努力をするイメージがありますしリアリティのあるかわいさと、親しみがあります」
お酒の弱い女性や年配者からの支持の高い梅酒、その代表格であるチョーヤ梅酒のCMは、過去に高畑充希、比嘉愛未、宮崎あおいが出演し、現在は倉科カナ、夏菜らが出演するように、朝ドラ女優率が高い。幅広い年齢層に訴求しなければいけない商品は、朝ドラ女優が最適解になっても不思議ではないだろう。